

ポリスチレン(PS)は、熱可塑性樹脂に分類される汎用プラスチックであり、透明性が高く、軽量で成形性に優れた材料です。一般的に、透明で硬い「汎用ポリスチレン(GPPS)」と、ゴム成分を加えて耐衝撃性を高めた乳白色の「耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)」の2種類に大別されます。
具体的な特徴は以下の通りです。
①優れた透明性と光沢(GPPS)
汎用ポリスチレン(GPPS)は、アクリル樹脂やポリカーボネートに匹敵する非常に高い透明性を持っています。光を透過しやすく、表面の光沢も美しいため、透明容器や光学部品、ディスプレイケースなどに広く利用されています。
②優れた成形加工性と寸法安定性
非晶性樹脂であるため成形収縮率が小さく、金型の形状を忠実に再現する能力に長けています。また、溶融時の流動性が非常に良いため、薄肉の製品や微細な形状の成形にも適しており、精密部品などでその特性を発揮します。
③高い電気絶縁性
電気をほとんど通さない優れた絶縁性を持っており、高周波特性も良好です。このため、電気製品の内部部品として広く重宝されています。
④優れた剛性と軽量性
比重が約1.05とプラスチックの中でも軽く、なおかつ硬い(剛性が高い)という性質を持っています。ちなみに、この「軽くて硬い」特性を活かし、発泡させたものが「発泡スチロール」です。
⑤脆さ(耐衝撃性)への注意
透明なGPPSは硬い反面、衝撃に弱く割れやすい(脆い)という欠点があります。この弱点を補うために、ゴム成分を配合して粘り強さを持たせたものがHIPS(耐衝撃性ポリスチレン)ですが、その場合は透明性が失われ乳白色となります。用途に応じてこれらを使い分ける必要があります。
⑥耐溶剤性・耐熱性への注意
柑橘類の皮に含まれる油分(リモネン)や、一部の有機溶剤(シンナー、ガソリンなど)に触れると、表面が溶けたりひび割れたりすることがあります。また、耐熱温度は約70~90℃程度と他のエンプラに比べて低いため、高温環境下での使用には適しません。

