本事例は、空調機器の骨組みとなるベース部品です。サイズは330×200×80mmと立体的な大きさがあり、剛性と寸法安定性を高めるために材質にはPPフィラー(ガラス繊維やタルク、炭酸カルシウムなどの充填材入りポリプロピレン)を採用しています。
本製品は、金属の別部品を同時に一体成形する「インサート品」であり、インサート部品のズレを防ぎつつ、強固に固定するための高度な構造設計が求められました。また、製品形状として「反り」や「ねじれ」が発生しやすいだけでなく、強度を担保するためのリブ(補強壁)形状部にも十分な高さがあるため、成形後にリブが倒れたり変形したりするリスクを抱えていました。
当社では、インサート部品の周囲に適切な肉抜きを施すことで、樹脂が均一かつ速やかに固まる構造を製品設計段階から盛り込み、インサート部品の位置ズレを確実に防止しています。さらに、高いリブ部が熱収縮によって変形しないよう、金型構造における「冷却回路の設計」に注力しました。流動バランスの最適化に加え、効果的な冷却アプローチをとることで、樹脂の熱を均一に逃がすことに成功しています。
適切な製品・金型設計と成形条件の細やかなチューニングにより、インサート成形特有のシビアな位置精度を守りながら、大型かつ高リブ構造ゆえの変形リスクを克服し、極めて高い寸法精度を実現しました。

