本事例は、遠赤外線暖房機器に使用される取っ手(持ち手)の樹脂成形加工事例です。製品サイズは200mmで、材質にはABSを採用しています。立長形状の暖房機器に取り付けられるため、持ち手としての十分な強度と、外観品質の両立が求められる部品です。
本製品では、強度確保の観点から肉厚設計が求められていましたが、そのままではヒケの発生による外観不良が課題となっていました。そこで当社では、強度を維持しつつヒケを抑制するため、リブ構造を取り入れた肉抜き設計をご提案しました。
しかし、細かなリブ構造を採用すると金型内に十分な冷却回路を配置しにくく、冷却不良による品質不安定が懸念されます。この点については、金型設計と成形条件を工夫することで、均一な冷却と安定した成形を実現しています。
さらに、製品表面のロゴ部においては、樹脂流動時の影響による「ゴースト」と呼ばれる二重ぼやけ現象が発生しやすい形状でしたが、流動バランスを考慮した設計最適化により外観不良を抑制しました。
本事例は、強度要求・外観品質・成形性という相反する要件に対し、設計提案と成形技術で対応した樹脂成形加工の事例です。

