

ポリカーボネート(PC)は、熱可塑性樹脂に分類されるエンジニアリングプラスチックであり、汎用エンプラの中では優れた耐衝撃性・透明性・寸法安定性を持つ材料です。具体的な特徴は以下の通りです。
①優れた耐衝撃性
樹脂材料の中でも突出した耐衝撃性を誇ります。この強靭さと透明性を両立できる特性から、作業者の目を保護する安全ゴーグルのような、絶対的な安全性が求められる製品にも幅広く利用されています。
②優れた透明性
優れた透明性を誇り、可視光線透過率が80~90%に達するなど、ガラスと同等の透明度を誇ります。この特性から、光学部品においても幅広く利用されています。
③優れた寸法安定性
非晶性樹脂であるため、成形時の収縮率が極めて小さく、吸水による寸法変化もほとんどありません。この特性により、ミクロン単位の精度が要求される製品(例:電子機器類の精密部品)を安定して生産することが可能です。
④高い耐熱性
ガラス転移温度が約150℃と高く、高温環境下でも安定した物理的特性を維持します。この耐熱性と透明性から、高温になる自動車のヘッドランプカバーのように、過酷な条件下で使用される光学部品として効果を発揮します。
⑤安全性を高める自己消火性
燃えにくい性質である自己消火性を有しており、万が一着火しても火元がなくなると自然に鎮火します。この安全性は高く評価され、不測の事態に備える必要がある電気製品の筐体(ケース)などにも適しています。
⑥耐薬品性に注意
多くの優れた特性を持つ一方、耐薬品性には注意が必要です。酸・アルカリ・有機溶剤には弱い傾向があり、表面に微細なひび割れ(ケミカルクラック)が発生する可能性があります。そのため、薬品に触れる環境での使用には、事前の評価が重要となります。
⑦加水分解に注意
熱水やスチームに長時間晒されると、加水分解という化学反応を起こして物性が著しく低下する性質があります。低下すると、透明性の低下や耐衝撃性の低下を引き起こします。

