本事例は、精密・理化学機器の計測・測定部に使用されるスリーブ部品です。サイズはφ2×20mmと非常に極小かつ細長であり、優れた寸法安定性と耐摩耗性が求められるため、機構・駆動部品に最適な材質であるPOM(ポリアセタール)を採用しています。
本製品は、その極小かつ肉薄な形状ゆえに、特に「先端部のバリ発生」を極限まで抑えることが求められていました。POMは比較的バリが発生しにくい材料特性を持っていますが、これだけ微細な製品では、わずかな金型の隙間や圧力の不均一が致命的な外観・機能不良に繋がります。また、スリーブの中空構造を形成するための金型ピン(コアピン)が、樹脂の注入圧力によって傾く「ピン倒れ」が発生しやすく、製品の偏芯や肉厚の不均一を引き起こすリスクが大きな課題でした。
当社では、樹脂充填時の圧力による金型ピンの変形を防ぐため、流動解析(シミュレーション)のもと、ゲート位置やキャビティ構造を最適化しました。樹脂がピンの双方(周囲)から均等に流れ込むよう流動バランスを緻密に設計することで、ピンに掛かる側圧を相殺し、ピン倒れを防止しています。これにより、極小サイズでありながらも先端のバリ発生を最小限に抑え、同軸度・真円度の高い成形を実現しました。
微細成形における金型内の樹脂挙動を的確にコントロールすることで、POMの特性を最大限に活かし、精密機器に求められる極めてシビアな寸法精度と高品質な製品供給を両立しています。
